アマネムの敷地には大小幾つもの意味のある庭が造られています。アマネム到着時にまず車を降りるアライバル・パビリオンにも海側に開放感のある庭が造られ、その一画にもヤマモモの木が移植されています。樹齢50年を超える‘大径木’の移植は容易ではないと言います。そこでアマネムでは、日本に2台しかないという超大型重機を使い「重機移植工法」をとりました。この工法では根鉢(根と根の周囲の土)を大きく取れ、元の土壌や下草などの植生も活かせること、何よりも木を横に寝かさずに運べるなどで枝の傷みも少ないのです。
ところで、アライバル・パビリオンの庭は、昔から日本人と密接な関わりのあるススキ草原をイメージし、手前に芝生の野原、続いてススキの原野、その奥のウバメガシ樹林を通して英虞湾を見晴らすという遠近感のある庭です。そして庭の中央には‘道ならぬ道’が造られました。歩石がジグザグに置かれているのは、ただ‘通り過ぎるだけの’道ではなく、庭と‘関わり合う道’でありたいと願ったからといいます。環境デザインチームから素直な想いが聴けました。
「たとえばススキの穂が出始めた頃、麦わら帽子をかぶった7,8歳の少年(もしかしたら私自分かもしれない)がトンボを追って走る風景が、この庭を見る人の脳裏に浮かぶのを願っています」と。また2020年4月、アマネムには最大規模のヴィラ「ツキヴィラ」がオープン。敷地面積 1842㎡、どのヴィラよりも広いプライベートガーデンが造られ、ガーデンダイニングも可能。子どもたちが遊ぶにも、この開けた庭の存在感が魅力のひとつになりました。